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あるマネージャー(仮にTと呼ぶ)が、私が書いた稟議書(案)を見て、こう言った。
「これで○○部長が分ると思うか?この不良債権の残高の内訳、もっと詳しく調べてよ」
不良債権の残高内訳とは、○○の代金がいつからいつまでの間で幾ら、というもの。
簡単なようで、6年も前から滞留している債権の内訳など、容易にはわかるはずもない。調査には相当な労力がかかるし、請求と入金というのは、相互に残高の確認を行っていても、必ずしも認識が(特に内訳は)一致してないことも多い。帳簿残高を把握すべき立場である経理部に聞いたところで、分るハズもない。
当社の電算システムは、いわゆる未収金という経理科目に、当該契約上のあらゆる債権・債務が混在して残高を構成するしくみになっている。したがって、このような長期滞留債権の残高は、前月繰越の残高を、過去に過去にと遡って分析していかないと、本来の性格な残高は把握できないのだ。
そこで私は、現在の帳簿残高から、比較的最近の請求書控え(といっても2年も前の請求書だが)の請求額を控除し、その差額を分解して残高内訳を把握(正確には推定しただけであるが)した。
まったく無意味な作業であった。
Tは「稟議を書く以上、内容がすべて分ってないと(上司に)説明ができず、失礼だ」などとのたまう。その上滑りの管理手法(というか単に権力をひけらかしたかっただけか)を満足させるだけで、無駄な時間を費やしたものだ。
物事は、多少、細部がわからなくても「結局のところ、何をどうしたい」と言い切らないと、物事は進まないのだ。
「労多くして益少なし」ということもある。
本のタイトルのようだか「1000円札は拾うな!」である。
時間には限りがあり、その限られた時間の中で最大の成果を上げる為に何をするべきか。
「やったほうがいい」程度のこと、「念のため」やっておくこと、「万一、このようなことが起きた場合に備えるため」といった作業は、時間と労力の浪費である。それは、企業活動にとって、損失のタレ流しなのである。
わが国は、コンプライアンスと言えば、皆がコンプライアンスに過敏になる。
個人情報の保護といえば、それにとらわれる。
クールビズといえば、まってましたとばかり、ノーネクタイ。
まったく、主体性がない。